漢方について

漢方薬をもらうには?

漢方薬はどこに行ったら手に入るのでしょう?

現在「漢方薬」と呼ばれているものは、大きく分けると煎じ薬、丸薬や散剤といった本来の形であるものと、効果は劣りますがこれらをのみ易く、お手軽にしたエキス製剤とがあります。

エキス製剤は病院、医院、クリニックなどの医療機関で医師から処方される場合、または医師から処方箋を交付され、調剤薬局で渡されるもの【健康保険が適用されます】、街中の薬局・ドラッグストアーの漢方薬コーナーで買えるものなど比較的入手し易いものです。ただし、困ったことにこのエキス製剤を扱う医師、薬剤師が必ずしも漢方に詳しいとは限らないのが現実です。

煎じ薬のように本来の形のものをご希望の場合は、東洋医学、和漢診療学、漢方外来などを取り入れているごく一部の大学付属病院、大病院、自由診療で行っている開業医、漢方相談専門の薬局・薬店など非常に限られてきます。具合の悪い方の状態を、時間をかけて詳しくお伺いし、専門知識を駆使してお一人お一人に合わせた処方を目の前で作って差し上げられる所はなかなかありません。しかも煎じ薬を扱う医師、薬剤師は漢方を非常に熱心に研究しています【と言うか、研究しないと出来ないのです】

まとめると、『漢方相談』、『漢方専門』などと看板を掲げている薬局でも煎じ薬が出るとは限りません。漢方をきちんと勉強した専門家によってご自分に合った的確な漢方処方を、本物の形で飲みたい場合には、「煎じ薬を処方してくれるか?」と問い合わせるのが一番よいと思います。

「葛根湯(かっこんとう)」と処方の名前を言えば、どこで買っても同じものですよね?

漢方エキス製剤のように製品となっているものの場合、製造会社が同じである限り、どこで買っても同じものと考えていただいて結構です。【原料が天然物である生薬ですから、正確に言うと完全に同じことは有り得ませんが、効果に差が出るほどのことはありません】しかし製造している会社が違えば、(建前上は同じですが)原料の生薬の分量・選品、製造方法や有効成分とされるエキス含量などに違いがありますので、まったく同じとは言えません。実際、「私にはA社の葛根湯は効くけれど、B社のだと効かない」なんて話を耳にします。錠剤と顆粒タイプのものとドリンク剤のように、剤型の違いによっても効き目に違いはあります。

煎じ薬の場合、その差は著しいものがあります。原料生薬の良し悪しを見分ける確かな目、その厳格な管理、豊富な経験に基づいた処方の合わせ方など「腕の差」が歴然とあるのです。どこのものでも同じではない証拠に、一昔前までは「『平安堂さんのお薬はよく聞く』と口コミで広まり、遠方からお客さんが汽車でやってきたものだ(先代回顧録より)」そうです。現在でも全国に長年ご利用戴いている方々への発送を行っています。

本人が相談に行かないとだめなのでしょうか?

患者さんの顔も見ずにカルテと検査データだけで診察が終わることもある現代医療とは異なり、漢方薬の処方をその人に合わせるには(証の決定)、ご本人を目の前にすることにより得られる情報がとても重要です。お困りの症状を詳しくうかがうことはもちろん、陰陽虚実という漢方独特の物差しを使って、その人の状態、気質、体質などを把握することにより処方が決まります。可能な限り最初だけでもご本人が見えるのが望ましいといえます。その後、継続して服用される場合には、何かあればメールやお電話でも連絡が取れますし、相談・処方記録としてこちらで管理してありますので、代理の方がお見えになってもお渡しすることが出来ます。漢方薬独特の香りを味わうためにも一度はご来店下さい。

どうしてもご本人が来られない場合についてはこちらをご覧下さい

婦人科疾患で気後れするのですが、そちらではどんな検査をやるのでしょう?

不安なお気持ちはよくわかります。久能平安堂では医師と連絡を取りながら処方の選択を行っていますが、お客様にお越しいただくこちらは「薬局」です。漢方薬の処方を選ぶのに一番大切なのは、「問診」、つまり詳しくお話を伺いすることにより、その人がどんな状態にあるのかをつかむ事です。したがって、現代医療のような診察、検査は致しません(出来ません)。

特に現代女性はホルモンのバランスが崩れやすい環境から、関連している自律神経系、免疫系すべてに影響が出るため、いわゆる「不定愁訴」に悩まされがちです。現代医療では、有効な手立てが無いために医師に相手にされない事も多いですね。また、家族にもわかってもらえずお困りの方も多くいらっしゃいます。しかし漢方薬は部分だけではなく、中から身体全体を整える働きがありますのでそのような女性にはピッタリなのです。また、未婚の女性は生理痛、生理不順、おりものの異常などで産婦人科には行きづらいようですが、これらにも漢方薬は良く効く処方が数多くあります。実際、久能平安堂には若い女性もたくさんお見えになります。心配せずお気軽にご相談下さい。

ただし、明らかに医師の診察を受けた方が良いと思われる場合には紹介致しております。その際は恥ずかしがらず、覚悟を決めてくださいね。

ニキビの漢方薬をもらいたいのに、どうして便秘してないかとか生理痛はあるかとか聞かれるのですか?

確かに、初めて来店されたお客様の中には、「忙しいのにどうしてそんな関係のないことをあれこれ聞くのか」と不快感をあらわにされる方もいらっしゃいます。しかし漢方では処方を選ぶために絶対に必要なことなのだと知っておいてください。

現代医療では、病名で一括りにしますから、同じ診断名の方には同じ処置、投薬がなされます。市販の薬が欲しくて街中の薬局に行き、店員さんに選んでもらう場合でも、病名を言えば(その病名に関係のある症状の有無や副作用が心配される状態でないかくらいのお尋ねはあるかもしれませんが…)直ぐさまおすすめの商品を買える事でしょう。

漢方では、病名で処方が決まることはありません。また、その方のお悩みの症状を部分的なものとは考えず、身体全体の歪み、アンバランスによって生じているととらえます。そのため、その人がどんな状態にあるのかを陰陽・虚実・寒熱(いんよう・きょじつ・かんねつ)、その症状が何を原因とするのかを気・血・水(き・けつ・すい)といった漢方独特の概念で把握すると、その人に対する【その病気に対する ではないのです】処方が決まります。したがって、漢方薬をのみ始めると結果的に身体全体が良くなります。これはちっとも不思議なことではないのです。

それには、たとえば「汗をかきやすいか?」とか、「小便の回数は?」とか、「お風呂とシャワーとどちらが好きか?」などと一見何の関係もなさそうなこと【実はこれがとても大切!】も色々お尋ねしますのでよろしくお願いします。

雑誌の記事で見たのですが、「桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」という処方が私に良さそうなので作ってもらえますか?

もちろん作ってさし上げます。ただし、私ども専門家から見てその処方があなたに合っている場合の話です。

マスメディアによく出るパターンの「○○(病名または症状名)には××湯(漢方処方名)」は、当てはまらない場合の方が多いのが現実です。漢方はお一人お一人の状態に合わせた処方を選択するのが鉄則です。そうでないと効果が得られない上に、貴重な天然生薬を無駄にすることにもなります。他に適した処方があればそちらの服用をおすすめしますから、漢方薬が良さそうだという方は、まずご相談下さい。

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